22:20、通知音が鳴った

バイトから帰って少し遅めの夕食を食べ終わったころ、iPhoneの画面がパッと明るく光った。

 

 

LINEの通知は、高校時代の後輩から。僕のセンター試験の点数を教えてほしいという内容だった。この時点で僕のなかで懐かしさと哀愁と期待と、様々な感情がごちゃ混ぜになって湧き上がってきた。

 

 

僕らがこうして

 

 

 

「ああもう12月かよ」

 

「早く年末にならねえかな」

 

 

なんて言ってる間に、後輩たちの戦いは佳境に差し掛かっていたというわけだ。

 

 

思い返してみれば去年の自分も全く同じことをしていた。ひとつ上の先輩にアドバイスを求め、同期の間では不安を吐露しまくっていた。一年後の僕は、精神面は安定しているものの基本的に午後から活動を始め、授業に出ている時間より家庭教師としてバイトしている時間の方が長い、そんなかつてとは綺麗すぎるほど対極の生活を送っている。

 

 

 

全く同じ時間を過ごしているけれど、学年とコミュニティが違えば目標、視座、感覚がこうもドラスティックに変わる。「アタマ」でちょっと考えれば分かることではあるが、実際に感覚として触れてみるとその差異に驚いた。

 

 

果たして、来年の11月、20歳となった僕は、一体何を考え、何を感じ、呼吸しているのだろう。

 

 

パッと光を放つiPhoneのスクリーンは、一年後、何を映し出しているのだろう。