全部、雪のせいだ。
ごきげんよう。各位、春休みは謳歌していますか。平日にスーツケースを携えて新宿を歩くなどして、道行くサラリーマン達に睨みつけられていますか。Netflixに浸る自堕落さはありますか。時々訪れる、どうしようもなく寂しい夜には、誰かに電話をかけていますか。
少なくとも、僕は元気です。溜まった洗濯物を処理して、2人前のパスタを作って、少し後悔する。そんな日々です。
近頃、東京は雨が多いように思うのは僕だけでしょうか。僕が雨が好きな、物好きだったら良かったんだけど、残念ながら嫌いで。それは、白スニーカーを汚す原因全てが、僕の嫌いなものの全てだから。自明に全てじゃないけれど、全て。
でも、この時期の雨はちょっと好きだったり。雨が降るたび、いや、雨が止むたび、空気が変わるのを感じる気がするから。ヒタヒタと春が近づいてくる、気温と一緒に、冷え切った身体の芯に、熱が宿る感覚。
「この感覚、わかる?」
「ぜんぜんわかんない。」
友達Sには、理解されなかったみたいだ。地元にスタバとNEWDAYSがある人間はこれだからダメなんだ。ごめんよNEWDAYS。そうだった。僕の地元は、最大瞬間風速を出してミスドとイトヨーだ。そりゃ、感性も鋭くなる、鋭くしないとやっていけない世界線。
雨が降る直前の、植物とアスファルトが8:2くらいで混ざりあった、青々しい匂い。凍てつく寒さの下、真っ直ぐに照りつける太陽と、朝の柔らかな匂い。
まだ30日以上残されている春休み。単位もGPAもバイトもスマホも、春だから、いや春だけど、全部雪のせいにしてしまえ。