夏を越えた受験生へ (No.013)
あんなにもギラギラに輝いていた太陽と8月に、若干の陰りが感じられるようになった。ここ数日、夜風は涼しいを通り越してむしろ寒いくらい。
夏の終わりに、もう一度受験生へ向けて、ささやかながらアドバイスを贈りたい。
1.センター試験までは加速度的に過ぎ去る
2.受験本番での解答力は秋につく
3.難関大志望者はセンター試験を舐めるな
1.について。(加速度的な秋以降)
6〜7月に部活を引退し、これまでは体感として長かった、という感想を持った受験生は多いのではないだろうか。だがこれからは違う。
気づけば半袖では肌寒くなり、いつの間にかコートなしでは過ごせなくなる。そうして残る模試は日に日に少なくなっていき、冬休みに突入。センター試験まで残り14日。こんな感じだ。
大袈裟な、まだセンターまで5ヶ月弱ありますよ(笑)
という声が聞こえてきそうだが、これは紛れもない事実だ。
僕の聞いた限り、夏以降を長かったという友人はひとりもいないし、誰に聞いても似たような答えが返ってくる。
「本当に本番まであっという間だった」
「気づいたら冬だった」
「夏明けに戻りたい」
これらの言葉から導き出されるアドバイスは1つ。
夏休み燃え尽き症候群とやらで、ダラダラと過ごしているヒマなんて微塵もない。ここからが勝負だ。
いま一度、勉強計画の再点検をし、ここからが正念場だと自分を鼓舞してほしい。
2.について。(秋につく本番での解答力)
秋の勉強は、往々にして「応用力養成」と言われる。逆に言えば、秋の勉強なくして本番での解答力なし、なのだ。
英語などはもう過去問レベルに達しているひとはいてもおかしくないが、数学や物化となれば話は別だろう。この時期にどのくらい難しい問題 (基礎力を前提とし、さらに思考が必要な問題) と対峙したかによって、冠模試の結果、引いては直前期の勉強に影響してくる。
例えば、夏休みに網羅系参考書を繰り返し解いた人は、秋には重要問題集や大数の演習問題、文系プラチカ(これは東大、京大、一橋志望者のみだが)あたりからピックアップして何度も解くべき。足りないと感じたところは網羅系参考書に戻る。
もし過去問が網羅系参考書のレベルに留まっているなら、過去問を解きつつ網羅系参考書での穴埋め。
つまり、 レベルの高い勉強によって弱点を発見して補填していく作業が必須だ。もちろん、難しい問題と対峙していくことで応用力は身についていく。
3.について (センター試験舐めるべからず)
最後は二次試験の比率が高い、難関大志望者に向けてのアドバイスだ。
センター試験対策を絶対に怠ってはいけない。
これは僕の実体験に基づく警告なのだが、本当にセンター試験を舐めてはいけない。
僕自身、直前のセンター模試では80%を超える得点率を持っていた。
「まあ本番でもこれくらい取れれば足切り突破で2次力勝負かな…」
本番の得点率、75% ぴったり。
2次力で挽回のレベルじゃないし、センター利用も無理。当時自己採点しながら、目の前がクラクラするほどの絶望感に襲われたことを覚えている。
全ての敗因は、センター試験対策を怠ったことにあった。僕は秋に、全ての勉強時間を二次対策につぎ込んでいたのだった。センター模試の結果も不安定なままに。
だから今年の受験生には、入念にセンター対策をしてほしい。目先のセンター模試をバロメーターに、模試前1週間は2:1でセンター対策するとか、塾から帰ったあとはサブ科目に費やすとか、やり方は色々あるはずだ。応用力養成にばかり気を取られてしまい、僕と同じような失敗をすることだけは避けてほしい。
最後に。
夏を越えた君たちは間違いなく強い。誇っていい。
たしかに、夏休み終盤に頑張り切れなかったひともいるだろう。でもまだ大丈夫、これから挽回すれば、まだ間に合う。
気温が下がるにつれて、精神的ストレスも増してくるかもしれない。だが、自分の決めた計画を修正しながら、毎日ガムシャラにやれば結果はついてくる。(もちろん休憩を忘れずに!)
また、夏を越えると学校の先生は「絶対に志望校を下げるな!」と盲目的に繰り返すことがあるが、僕はそうは言いたくない。客観的かつ冷静な判断の結果なら、それはそれでいいと思う。
自分の人生を大きく切り開くターニングポイントに立っているのは、誰でもない、自分自身だということを、忘れてはいけない。健闘を祈ります。